まず師匠のパターンに順応し、その結果として師匠の動きに順応する。
そして結局、彼の考え方は機械的になり、反応の仕方も師匠のパターンによって自動的に決まってしまう。
そのため、彼は発展も成長もしなくなってしまうのだ。
〜「ブルース・リーが語る ストライキング・ソーツ」ジョン・リトル(編)より〜
「受け売りしかできないアーティスト」とは…?
いきなりではあるが、ブルース・リーの辛辣な意見。
分かりやすく師匠と教わる側の関係を例で挙げてるが、これは誰にも共通する普遍的なものである。
ここでブルースが警告している事は、
得た情報、知識に対しそのまま鵜呑みにし、自らの頭で考える事を放棄してる者に対してである。
この様な人々は、
Aという事象が起きたとすればA’
Bが起きればB’と、
ステレオタイプの判断しかできなかったり、
決まり切った行動しか取れなくなる。
自らの視点から物事を捉え、自分なりに考える事ができない者は
「画一的に製造されたロボットに等しい」とブルースは例えてる。

どのような弊害があるのか?
盲目的に反応するだけの人は、
結果的に「自分自身を理解し成長できる」チャンスを失う。
先の例で言えば
Aという事象に対してはA’という行動が正しいと教わったとしよう。
ただし、それがそのまま自分にとって正しいのかは疑問である。
自分の性格、性別、または生活スタイルなどなど、
誰一人とて同じ人は存在しない。
そこで自分を照らし合わせ考え、自分なりの正解を見出す必要があるのだ。
(結果的に、この様な経験は自分に気づく作業とも言える。)
この様な作業を放棄してる人々に対して、
ブルースは皮肉を込めて
「自らの考えを持たないロボット」と皮肉を放ったのかもしれない。

依存心を吐き捨てろ
アーティストの世界でも、
様々な角度から自身を省み、気づきを重ね、
自分なりの感性を通じて放たれる表現力は説得力に溢れてる。
なぜなら、その人自身がしっかり表現されてるからだ。
それに対して、文字通りの「受け売りしかできないアーティスト」は一体どうだろうか??
最後に、ブルースの言葉をもって終わろうと思う。
その代わり、彼は押し付けられたパターンに忠実に従うのだ。
つまり、彼が教え込まれたのは、自ら探究する精神ではなく、
むしろ依存心だったという事である。
〜「ブルース・リーが語る ストライキング・ソーツ」ジョン・リトル(編)より〜